院長コラム
ラ・クリニカは開院18周年を迎えました。これも、何度もご来院頂いてる多くの患者様のおかげと、スタッフ一同、心から感謝をしております。
ラ・クリニカは開院18周年を迎えました。これも、何度もご来院頂いてる多くの患者様のおかげと、スタッフ一同、心から感謝をしております。
今年も嬉しいこと、そうではないこと、色々なことがありました。
色々な思いが頭や心の中で混沌としています。
数え切れないぐらい多くの麻酔科医師と一緒にオペをしてきて、色んな麻酔科医がいたけれど、君がNo.1だったな。麻酔が一番うまかった。麻酔科医がうまいかどうかはオペをしている外科医が一番よく分かるんですよ。
君はまだ若いのに立派だったと思う。抗癌剤の副作用でつらい時も、死が迫り来る中でも、いつものように診療を続けていたそうだね。君の美学を見たような気がします。
僕も君みたいになれるように頑張り続けるよ。僕もいつかはそちらに行くけど、そうしたら、君に難しい麻酔をかけてもらって、僕は一番難しいオペがしたいな。
そんな思いもありますが、それでも日本を見れば、今年もいい年だったのでは、と思います。台風が来て多くの方が命を落としました。毎年、毎年、地震、津波、火山の噴火、いろんな災害がやって来てはたくさんの悲しみを残してゆきます。
でも、今年1年も日本には『戦争』はありませんでした。これはとても素晴らしいことだと思います。
日本に生まれて自分は幸せ者だ、と自分に言い聞かせながら、でもつらい・・・
僕は混沌としたまま年を越しそうです・・・
文学に限らず映画でも作られたものには悲劇というジャンルがあります。悲しいこと、悲しい思いは誰だってしたくないですよね?ではなぜ人はわざわざ悲劇を読んだり、見たりするのでしょうか?
世界の三大悲劇と呼ばれる小説など色々な悲劇があります。その小説の中の悲劇は言葉では言い表せないほど暗く深いものです。でもその小説の初めの一文字から最後の一文字まで、すべてが悲しみで真っ黒に塗りつぶされていることはまずありません。
小説、つまり作り話の中のどこかに、必ず、ひと筋の光明が描かれているのです。その細い光明は愛情だったり、思いやりだったり色々ですが、悲しみで100%真っ黒に塗りつぶされた悲劇小説なんてまずないのです。
ところが現実はどうでしょう。毎日流れてくるニュースはどうでしょう。一筋の光明も救いも、何も見いだせない、悲しみだけで100%真っ黒に塗りつぶされた事件がニュースとして流れてくることもあります。
人が悲劇を読んだり見たりするのは・・・少なくとも僕は、一筋の光明を見たいからなんです。
先日、町のあちこちで迎え火が焚かれていました。会えなくなってしまった人達に再会できる季節が来ました。
会えなくなってしまったことは確かにつらいことです。そして会えなくなった人の数は毎年増えてゆきます。悲しみの数も増えてゆきます。
でも、出逢いがなければ別れもないのですから、会えなくなった人が多いということは、それだけ出逢いの数も多かった、出逢えた喜びも多かったということだと思います。
悲しみというのは、受け取った喜びを返す作業なのかな・・・とも思います
吸い込まれてしまいそうな、言葉では言い表せないような「優しい瞳」に出会うことがあります。しかし、その優しい瞳の奥にはたくさんの苦しみや悲しみが透けて見えるように思います。どうしたらこんな優しい目になれるのだろうと思います。同時に、どれほどの苦しみや悲しみを乗り越えていけばそんなにも優しい瞳になれるのだろう、とその方の人生に思いを馳せます。
鏡で自分の目を見ると、ガッカリしてしまいます。
人生が終わるまでに優しい瞳になれたらなぁ、そのためにはどうしたらいいのかなぁ・・・
っと思うと・・・少し絶望的になります(泣)
おしゃれの秘訣!?「おまえに分かるのか?」っと怒られそうですが、僕の思うおしゃれの秘訣?について書きます。と言っても服装などの外見ではありません。所作というか、外見以外のおしゃれについてです。「あの方はとてもスマートだ」という言い方がありますが、この「スマート」とは決して外見だけではないと思います。
「スマートな方」は自分の気配を振りまかない、残さない、むしろ心地よいくらいの雰囲気を残してその場を去ってしまう、そんな方だと思います。ではその要素とは?。
例えば声。決して「静か」ならスマートということではありません。バーやレストランなど、どんな場所でもその場に合った声の大きさというものがあると思います。静かなお店で「私はここにいますよ!」と言わんばかりの声で話している方を見ると、スマートの対極だなぁと思います。
スマートな方は、相手にはちゃんと聞こえて、でもお店の雰囲気を壊さない範囲でしっかりと話されています。そしてお店の方に『さりげなく』挨拶やお礼をして「爽やかな風」のように帰られます。声だけではなく、すべての立ち振る舞いにも言えると思います。
いつになったら僕も爽やかな風になれるのかなぁ・・・