
院長コラム
ラ・クリニカは開院20周年を迎えました。これも、何度もご来院頂いてる多くの患者様のおかげと、スタッフ一同、心から感謝をしております。


ラ・クリニカは開院20周年を迎えました。これも、何度もご来院頂いてる多くの患者様のおかげと、スタッフ一同、心から感謝をしております。


(左) 深くまであるやさしさ
(右) 大きいけれど深くて見えないやさしさ
思いやりや愛情の「深さ」について考えたことがありますか?「深さ」というとどのような深さを連想しますか?深い思いやり、深い愛情というと深い海のような「深さ」を連想される方が多いと思います。つまり深い所「まで」ある思いやり、愛情です。でも僕はもう一つの「深さ」があると思います。
それは思いやりや愛情が「どれだけ深い所にあるか」という深さです。つまり目に見えるような浅い所にあるか、全く見えないぐらい深い所にあるかということです。例えばクリスマスプレゼント、これは目に見えるものです。これに対して、その人に気がつかれないようにその人のためになるような言葉をさりげなくかけたり、親切をした場合それがどんなに大きくても、その人に気付かれない限り、目には見えない深い所にある愛情ということになります。(説明が下手なので図にしましたが・・・こんな図、書く人なんていないですよね(^^ゞ)

(左) 深くまであるやさしさ
(右) 大きいけれど深くて見えないやさしさ
目に見えないやさしさ、思いやり、そして愛情はどれだけたくさんあっても見えませんから気がつきません。でも、誰でもみんなそのような目には見えないたくさんの思いやりや愛情に支えられているのだと思います。
クリスマスプレゼントはうれしいものです。しかし誰でも、数え切れないぐらいの見えないプレゼントをもらって生きているのだと思います。

『市庁舎前のキス』1950
ロベール・ドアノー
ちなみに僕がまだ小学生だった頃、母にこんなことを言われました。「人に親切にしても親切にしたことがその人に分かってしまったら、その親切の値打ちは半分になる。僕の母もサバを読んでいるばかりではなく、ホンのたまにはいいことも言うようです(^_^;)
僕だってクリスマスにこんなかっこいいことをしたかった頃もありました・・・
でも外科の頃は、病院以外でクリスマスを迎えたことは1回もありませんでした(>_<)ゞ

「Coco」Paris,1952
これからの季節、このような方が増えますが・・・
このココという紳士!?は「どんな痛みだって飲んじまえば大丈夫!」と言っているのではありません。
前回痛いのが嫌いと書きましたが、今回は「痛み」について書きます。
腹痛などで病院に行って、医者や看護師さんに痛みについて聞かれた経験のある方は多いと思います。診察や治療の時に「痛みはどうですか?」と聞かれてどのように答えましたか?「大丈夫です」なんて答えたりしていませんか?痛みは目に見えませんからその状態を言葉で表現するのは非常に難しいのですが痛みの状態は診断のための重要な要素です。痛みの種類、変化、強さが重要なのです。ですから刺すような痛みか鈍い痛みか、痛みが強くなってきているのかそれとも同じぐらいで続いているのか。強弱を繰り返しているのか、動いた時だけ痛いのかなど痛みに関する情報は診断のために非常に重要なのです。つまり医者や看護婦さんは、患者さんに「大丈夫」と言われても診断にはほとんど役に立たないのです。
これから12月に向けて忙しくなる方が多いと思います。予防が第一ですがもしどこかが痛くて病院に行く時には頭の中で自分の痛みについて整理してください。医者が診断しやすければそれだけ誤診も少なくなりますし、時間も省けます。みんながそうすれば待合室でのあの長い時間も短くなります。
痛みを除くための方法として麻酔があります。手術に麻酔は不可欠ですが、外科医は緊急時や麻酔医のいない病院でなどでは自分で麻酔をかけて自分で手術をすることが少なくありません。このため外科に入ったらまず麻酔科研修といって麻酔科で麻酔の技術を身につけます。僕は麻酔科研修の時に「患者さんの痛みに関して敏感にならなくてはいけない」と厳しく教え込まれました。しかし患者さんの痛みを正確に理解するのは今でもまだまだ難しく、まだまだ未熟だと思います。
先ほど痛みは目に見えないから、と書きましたが痛みの強さを測る器械というのがあります!しかし万能ではなくまた病院で使うには実用的でもないようです。
もちろん心の痛みを測る器械なんてありません。また「心が痛いですか?」なんて聞いても「治療」にはならないかもしれません。心の麻酔もありません。自分の痛みも他の人の痛みも、身体の痛みも心の痛みも、予防が第一だと思います。

「Coco」Paris,1952
これからの季節、このような方が増えますが・・・
このココという紳士!?は「どんな痛みだって飲んじまえば大丈夫!」と言っているのではありません。

シスターさんはとても綺麗だったのですが・・・ オードリー・ヘップバーン 1959 (手前は天才外科医だそうです)
「ナースキャップの想い出」と言っても、ある若き天才外科医が白衣の天使と恋に落ちたが・・・なんてロマンスではありませんし、ましてやどこかの教授が忘年会でナースキャップをかぶって踊って大ひんしゅくを買ったという話でもありません。
ナースキャップ(看護婦さん)に関する想い出を書いて少しでも僕と医療との関わりやクリニカを理解してもらえればと思います。想い出は遠い順に書きますので僕の記憶力にもよりますが(^_^;)数回にはなると思います。まず第1回は僕がまだ幼稚園に入る前のつらい?想い出です。子供の頃に看護婦さんに接する機会といえばやはり予防接種です。
僕が生まれた病院はカソリック系の病院だったので(僕はキリスト教ではありませんが)看護師さんではなくシスターと呼ばれていて大きなナースキャップを付けていました。シスターさんはとても綺麗でかっこよかったのですがその手には・・・ガラスの注射器※(古いですね^_^;)が・・・
まだ幼稚園にも入っていない小さな僕にとってその注射器はどんな爆弾よりも大きく見え、口から心臓が飛び出してしまいそうでした。そしてベッドの上にうつぶせになり、お尻を出して・・・・その後でおそってきた痛みは未だにトラウマになっています。そしてその時から今に至るまで、正直言って僕は病院も注射も大嫌いです(>_<)ゞ
痛いのは人一倍嫌いですから患者さんに痛い思いをさせるのも大嫌いです。ですから癌の治療などでも出来るだけ痛くない、例えば出来るだけ注射をしないで済むにはどうしたらいいかをいつも秘かに(外科医が「痛いのは嫌い」なんて言ったら笑われちゃいますから)考えていました。ただ出来るだけ痛くなく、しかも治療は十分にとなると看護婦さんや検査技師さんの手間が多くなってしまうのでひんしゅくを買っていたかもしれませんが(>_<)ゞ

クリニカでは目的によってはいまでもガラスの注射器を使っています。
クリニカでうんと細いけどうんと高価な注射針を使い始めた時も「痛みをそんなに嫌うのは先生だけですよ」とスタッフ全員の笑われものにされてしまいました。でも・・・痛いのが嫌いなのは僕だけではないですよね?(^^ゞ
後日談:当時の僕は「予防接種」というものを知らず、「良い子にしていないから注射されるんだ」と言われ、まだその頃は僕も純朴だったので!?良い子になろうと努めていましたが?、僕の中ではこれが母にだまされた最初の記憶です(T.T)

シスターさんはとても綺麗だったのですが・・・ オードリー・ヘップバーン 1959 (手前は天才外科医だそうです)

2008.9月7日 開会式 北京
今年の夏ももう足音だけになってきました。人の最も素晴らしい一面と、最も愚かな一面を同時に見せてくれた夏でした。
素晴らしい一面はもちろん、巨人・大鵬・卵焼き(こんな言葉はもうと~っくに死語ですね^_^;)ではなくてソフト・なでしこ・卵焼きです(卵焼きがごちそうだなんて思う子供はもういませんね…>_<…)そして素晴らしい闘いはまだ17日まで続いています。戦争で負傷した兵士のリハビリとして「手術よりスポーツを」という理念で始まったそうです。

2008.9月7日 開会式 北京
ところが人間の素晴らしい一面を見せてくれた今年の夏は、人間の最も愚かな一面をも見せつけてくれてしまいました。それは日本からは近くはありませんが、グルジアという国で同じ人間によって引き起こされてしまいました。素晴らしい一面も愚かな一面も・・・どちらも同じ人間です。

「敵を連れて」1966.1.29 ベトナム澤田教一撮影
両目をケガして連行されている兵士は・・・まだ10代の女の子なのです。戦争なんてなければ綺麗なアオザイ(ベトナムの民族衣装)に身を包み、周りを明るく照らしていたかもしれません。この写真はもうずいぶん前の写真ですが・・・人はいつまで同じ愚かさを繰り返してゆくのでしょうか。
人間は時として愚かで本当に大馬鹿者になってしまいます、でも本当に素晴らしいし、僕が一番大好きなのも人間です。だから医者になってしまったのですが・・・。
平和な日本にいるということはそれだけで幸せなことだと思います。美しく周りを照らさないなんて幸せの無駄遣いだと思います・・・もったいない

東京1964「東洋の魔女」いえいえアニメのタイトルではありませんよ…>_<…
もうすぐオリンピックが始まります。世界中の人が色々な選手を応援して結果に一喜一憂するのかと思います。でも応援している選手が負けたり、あるいは競技の途中でリタイアしても拍手で讃えてもらいたいと思います。こんなふうに書いても決してスポーツマンシップを振り回しているのではありません。彼女たちがどれほど厳しい練習をしてきたかをもっと知ってもらいたいと思うからです。

東京1964「東洋の魔女」いえいえアニメのタイトルではありませんよ…>_<…
オリンピックに出場するような選手の練習の厳しさは想像を絶するものがあります。でも言葉でこのように書いてもその厳しさをうまくは伝えられないので一つの事実を書きます。
スポーツドクターによれば、女性アスリートには毎月の生理がない方が少なくないそうです。僕はこのことを聞いていたので以前、スケート選手だった橋本聖子さんが出産されたと聞いて少し驚いた記憶があります。後に橋本聖子さん自身も「生理も10年以上なかったし、まさか子供を産めるなんて思いませんでした。」とおっしゃっていました。

札幌1972ジャネット・リンだって僕以外のスタッフは???です(×_×)
女性は急激なダイエットなどによる栄養失調で生理が来なくなって不妊症になってしまうことがあります。婦人科の医師によればダイエットが原因の場合、治療は決して簡単ではなく、スポーツ選手の場合も同じだそうです。しかし現在のスポーツ選手は専門の栄養士さんの指導で栄養はカロリー的にもバランス的にも普通の人以上にしっかり摂取していますから決して栄養失調ではありません。それなのに生理が来なくなってしまうのです。栄養を十分にしかもバランスよく取っていてもそれがすべて運動に費やされてしまう、それぐらい厳しく練習を続けたからなのです。もっとたくさん食べればいいじゃないかと思われるかもしれませんが、人間が食べて吸収できる量なんて限られています。
長時間の競技やハードな競技はもちろんですが、そうではない競技においても、オリンピックに出られるだけの技術や技術を発揮できるだけの体力をつけるための練習はそれほどまでに厳しく、彼女たちはまさに身を削る努力をしてきているのです。このことを少しだけでも思い出しながら『みんな』を応援してもらえれば、と思います。