院長コラム
ラ・クリニカは開院18周年を迎えました。これも、何度もご来院頂いてる多くの患者様のおかげと、スタッフ一同、心から感謝をしております。
ラ・クリニカは開院18周年を迎えました。これも、何度もご来院頂いてる多くの患者様のおかげと、スタッフ一同、心から感謝をしております。
過日、ある患者さんと診察室でお話をしました。その患者さんの御主人は重い病気と長い間闘ってきました。しかし医学の力が及びませんでした。 その患者さんが帰られた後、僕は中学生の時に読んだ『手巾』(芥川龍之介の短編小説)を思い出しました。そして「感情」を抑えるという意味での「理性」が僕にはまだまだ足りないと反省しました。未だ未熟な医学に臍を噛む思いも押さえられませんでした。 いく人・くる人、人類の永遠の営みなのですが・・・ 喜びや悲しみを乗せて時間は流れ・・・年はゆき年はくるのですね
2017年1月19日 追記 手巾(ハンケチ)について
患者さん達から「本屋さんにもなかった」と言われました。息子を亡くした母親がその死を報告する描写なのですが・・・あらすじを書くのも僕は下手だし・・・さてどうしよう?と困っていました。
そうしたら、ある患者さんが「ネットで読めましたよ」と教えてくれたので検索したら、全文が出てきました!(^^)!便利な世の中ですね?! そして僕も久しぶりに読み直しました。
本の表紙をクリックすれば手巾(ハンケチ)が読めます。特に読んでもらいたいのは「先生は、本を置いて、今し方小間使が持つて来た、小さな名刺を一瞥した。」というところからです。
今年は秋がなくていきなり冬になったような感じです。季節の変化にお肌が追いつかないのでしょう。いつもは潤っている患者さんでも、お肌が荒れてしまっていることが非常に多いのです。
通常は『乾燥』→『乾燥肌』→『肌荒れ』の順番に進んでしまうのですが、乾燥肌を飛び越して肌荒れを起こしている方が目立つのです。
そこで今回のテーマは『保湿』です。ひとくちに保湿と言いますが厳密には『加湿』+『保湿』なのです。つまり『加湿:水分を与える』ことと『保湿:水分を閉じ込める』ことの両方が必要なのです。
加湿は化粧水などです。保湿は乳液や保湿クリームなどです。「それぐらいはやっています」と思われる方が多いと思いますが、『加湿』が不十分な方が多いのです。加湿は水分をしみ込ませてゆくことですが、水分がしみ込むのには時間がかかるのです。つまり十分に時間をかけて、化粧水などがしみ込んでから、乳液などで水分を閉じ込めなればいけないのです。
あなたはどうですか?化粧水がしみ込まないうちに、化粧水と乳液をお肌の上で混ぜちゃっていませんか?混ぜちゃうとしみ込んで込んで行かなくなっちゃうので絶対ダメですよ!
『加湿』はゆっくりと時間をかけてくださいね(^O^)/
暑い暑いと思っていたら、もうノーベル賞の季節になってしまいました。今年も日本人がノーベル医学生理学賞を受賞しました。そしてその研究をもとに多くの方が助かる薬や治療法が開発されることになると思います。
さて、もし医学がうーんと進歩して、どんな病気でも治せる『夢の万能薬』が出来たら皆さんはどう思われますか?病気で命を落とすことがなくなるのですから、ほとんどの方は良かったと喜び、嬉しさ100%だと思います。
でも新しい薬や治療が開発されて発表されるたびに僕は嬉しい半面、少し切ない思いもしてしまうのですのです。どうして(?_?)と思いますよね。
そんな時に僕は、「あの頃この薬、治療法あったらあの人も、あの患者さんも今頃元気だったのに・・・」なんて思ってしまうからです。僕にとって、医学の進歩は嬉しいだけではないのです。でももっともっと進歩してもらいたいと思います。
今日は旧盆の送り火です。色々な人の顔や声を思い出します。初めての送り火は遠い記憶ですがなぜか目に焼き付いています。「来年またお父さんが帰ってくるからね」と母に言われても、小さかった(頭が悪かった?)僕には意味が分かりませんでした。でもだんだんその意味が分かるようになってきました。これは・・・年のせいかも(>_<)ゞ
もう会えなくなってしまった人達は、生きている人の記憶、想い出の中に生き続けるのではと思います。ですから想い出や記憶をなくしてしまったらその人達の存在もなくなってしまうと思います。色々な人の顔や声、想い出をもう一度自分の記憶の中に探してみてください。これも生きさせてもらっている人の務めだと思います。
梅雨も明け、皆さんもそろそろ夏休みの計画が決まってきたと思います。空港の出国ラッシュがニュースになるのも近いと思います。皆さんはどちらに行かれるのでしょうか?
チリにいた時、日本に留学した医者達に「日本の何を覚えている?」と聞きました。ほとんどの医者は「フヒヤマ」「ヒロチマ」と答えました。富士山はその美しさで覚えていて、広島は重い意味で覚えていると言っていました。
チリ人でさえ行ったことがあり、最近ではオバちゃん(※注)でさえ訪問しています。日本に住んでいて数時間で行けるのですし、何よりも、百聞は一見に如かず、です。
老化を止めることはできません。しかし心や気持がいろいろな経験をすることは、「美しく年齢を重ねる」ことにもなると思います。
※注:「おばちゃん」ではありません!?大統領です(^^ゞ
ほとんどの女性はショッピングが好きだと思います。しかし買わなくても困らないものを買ってしまった経験はありませんか?クリニカのスタッフや患者さんの話しを聞いていて、「どうしてそんなものを買っちゃったのかなぁ!?」と思うことが少なくありません!
ではなぜ女性は「必要のない」買い物をしてしまうのでしょうか?2011年のコラム「男の目は節穴」に書きましたが人類は200万年近く狩猟生活をしてきました。つまり男達は狩に出ていたのです。では女性達はというと、果物や木の実などの食物を集めていたのです。つまり生きるために色々なものを集めていたのです。当然ですが、食物が集まれば安心をしたのです。このような習慣を200万年近くも続けてきたので、女性には「ものを集める」本能が発達したのです。
というわけで、女性がものを集める、買い物をしてしまうのは本能的なもので「ある意味」仕方がないことなのです。しかし、今回のコラムは女性のムダ遣いを肯定するものでは決してありません。このことは忘れないで下さいね!
ではどうしたらよいか?「買い物は女性の本能だから仕方ない」なんて開き直っちゃいけませんよ!人間は知性のある生き物です。自らの本能と戦ってくださいね(言うのは簡単ですが・・・)(^O^)/
たまには美容皮膚科らしいことも書きます(^^ゞ 今日は頬に当たる風がとても爽やかで、富士山もよく見えます。でも静岡ではこんな日こそ日焼け警報なのです。
静岡に住む前、静岡では富士山が1年中見えるものだと思っていました。しかし真夏にはほとんど見えないのです。それは真夏の湿度が高い、つまり空気中に水分が多いからです。湿度が高いと富士山が見えませんが、紫外線は弱くなります。逆に言えば、富士山が見える日は紫外線が強く、日焼けしやすいのです。
また簡単に言えば、『シミやくすみの土台、準備』は梅雨前のこの時期に完成します。それが梅雨明けにブレイク!してしまうのです。さらにやっかいなのは『土台、準備』は目立たないので日焼けしていることに気付きにくいのです。
したがって、シミやくすみなどの色に関しては、この時期の日焼け対策が1年中で一番大切なのです。もともと日差しの強い静岡では、富士山が見えたら警報、見えなくても注意報なのです(◎-◎;)
皆さんに何の裏を見てもらいたいか、運転免許証の裏面です。3月は卒業の季節で、検診の時に「免許を取りました!」と言う患者さんが多くいらっしゃいました。そんな患者さんに「裏面を見ましたか?」と聞くと全員が!「裏面???」と答えます。コラムを読んでいる皆さんでも免許証の裏をちゃんと読んだことがある方は少ないのではないでしょうか?
免許証の裏面には、あなたが亡くなった時、臓器提供に関してのあなたの意志・希望が書けるようになっています。
日本の医療は臓器移植という分野ではかなり遅れています。でもそれは移植手術などの技術面ではなく、臓器の提供が圧倒的に少ないということです。移植に使える臓器があれば、目が見えるようになったり、死に怯える毎日から解放される方がとても多いのです。移植手術を受けて、今は美しくなるためにクリニカに通われている方達がいます。このような方達がもっと増えたらいいなぁと思います。
僕もいずれは死にますし、それもいつかは分かりません。でも僕が死んでも、僕の一部が他の人の中で生き続け、しかもそれでその方が元気になるのですから、僕にはとても素敵なことに思えます。皆さんはどうですか?
昨日は3月11日、悲しみを再認識させられた1日でした。クリニカの患者さんにもまぶたがむくんでいる方がいました。テレビでは東北の色々な方達が色々な思いを語っていました。
それを見ていて僕は思いました。その方達の悲しみを自分はどれだけ分かっているのだろうか、と。自分には人の悲しさに想いを馳せる力がまだまだ足りないと思いました。振り返って考えれば、外科医だった頃、絶望的な病状の患者さんの悲しさ、無念さをどれくらい理解できていたのだろうかと考えました。
まだまだ修行が足りない、人間として未熟、思いやる力が足りないと凹みました。僕だって凹む時はあるんですよ(>_<)ゞ
日本人の平均寿命はずっと伸び続けてきました。でも2011年は下がってしまいました。それくらい多くの方が亡くなったのです。
静岡に来てから、僕は冬になると雨が待ち遠しくなります。冬の雨なんて寒いだけで、「頭がノーテンクルクルパーじゃないか(@_@;)」と思われるかもしれません。まぁ、少しはクルクルパーな部分もありますが・・・それは置いておいて、正確に言えば、雨上がりが楽しみなのです。
雨が上がると富士山が真っ白になるのです。子供の頃、母に「おまえとおバカさんと煙は高いところが好きなんだね」と良く言われましたが、今でも高いものが好きで、雪も大好きです。静岡に来て10年近く経ちますが、今でも真っ白な雪をかぶった富士山がとても好きで、毎日見ても飽きないのです。
人生にも心にも雨は降ります。先も見えないどしゃ降りで、もうこの雨はやまないんじゃないかと落ち込む時もあります。でも生きている限り、やまない雨はありませんよね。雨上がりの青空は必ず来ます。