静岡市駿河区の美容外科、美容皮膚科、
医療脱毛女性専用クリニック
ラ ・ クリニカ シズオカ  医療法人社団  静美心会

桜の季節にーちょっぴり臭いけど大きな幸せ

ラ・クリニカは開院18周年を迎えました。これも、何度もご来院頂いてる多くの患者様のおかげと、スタッフ一同、心から感謝をしております。

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桜の季節にーちょっぴり臭いけど大きな幸せ

 静岡の桜はもうほとんど青葉になってきましたが、この季節になると想いだすことがあります。まだ医者になったばかりの研修医の時のことです。

 外科の同期の友人とトイレに行きました、いわゆる連れションというやつです(下品ですいません^_^;)そこで並んでおしっこをしながら、自分のおしっこを見ながらどちらからともなく、「おしっこが出るって幸せだよなぁ」という会話になりました。

 大学病院ですから彼も僕も重症はもちろんターミナルの患者さんも受け持っていました。人間の身体はうまくできていて、命に関わるような状態になると脳や心臓を守るために他の部分を犠牲にしてゆきます。例えば身体中の血管を縮めて身体中の血液を脳や心臓に集めたりします。その際、脳や心臓を守るためでも最後まで犠牲にされずに残されるのがおしっこを作る腎臓です。腎臓はお城で言えば内堀のようなものです。逆に言えば内堀がやられたら、腎臓までが犠牲になってしまったら・・・あとは想像に難くないと思います。僕も彼もそのような状態になってしまった患者さんに何とかして尿を出させようと色々な薬を使ったりしていました。健康な人なら尿が出すぎて倒れてしまうような薬剤をたくさん使っても重篤な患者さんには全く効き目がなく、また根本的な治療にもならないことは経験のある医者ならば誰でも知っています。

 彼も僕も夢を持って医者になったのですが、そのような患者さんの状態を変えることが出来ず自分の無力さに打ちのめされていました。医者になったばかりの研修医ですから何も分からず病院内を朝から晩まで体力に任せて走り回っていましたから当然身体もヘトヘトになっていました。彼と僕はまだ暗い明け方の病棟のトイレで連れションをしながら、自分のおしっこを見つめながら、どんなにヘトヘトでも今おしっこが出ている、生きている自分はとても幸せなんだと思いました。トイレに行って「あ~幸せ~\(^O^)/」なんて思う方は滅多にいないと思いますが、実は非常に大きな幸せなのです。

 もう何年も前になりますが、その友達と連れションをすることが出来なくなってしまいました。桜は散るから美しい、と聞くことがあります。しかし、人は散るから美しいのでは決してないと思います。

でも・・・トイレの中で「幸せ~!」と叫ぶのはやめてください。