治療とは
ラ・クリニカは開院19周年を迎えました。これも、何度もご来院頂いてる多くの患者様のおかげと、スタッフ一同、心から感謝をしております。
ラ・クリニカは開院19周年を迎えました。これも、何度もご来院頂いてる多くの患者様のおかげと、スタッフ一同、心から感謝をしております。
先日、こんなことを聞かれました。「先生、『治療』っていったい何なんですか?」と。その患者さんの友人が癌で手術を受けたそうです。手術は大きな手術ではなく手術直後も元気だったそうです。その患者さんは、手術が終わって後はどんどん元気になって行くと思っていたそうです。しかし友人は抗癌剤治療が始まったらどんどん具合が悪くなって、今は寝たきりだそうです。
皆さんが病院などで受ける治療のほとんどは、簡単に言えば人をも傷つけるものなのです。治療はほとんどが薬と手術によって行われます。ところが、以前のコラムに書きましたが、薬はしょせん毒ですし、手術はいうまでもなく身体に傷をつけることです。
言いかえれば治療とは『病気と身体の両方を同時に傷つけるもの』なのです。それで病気が先に負ければ治療が成功したと言い、身体が先に負ければ・・・言わずもがなです。昔まだ抗癌剤などがまだ発達していなかった頃には、「ガンは死んだ。でも患者も死んだ。」という、外科医の無念な言葉があったくらいです。
僕はよく患者さんに「治療は少なければ少ないほど良い。」と言います。簡単に考えている方が多いのですが、手術はもちろん、脱毛やお肌の治療も「治療」です。もちろん治療がゼロになったらどんな病院でもつぶれてしまいます。でも外科医の頃のそんな思いがあるので今でも僕は「出来るだけ少ない治療を」と心がけています。