紅白歌合戦とスペイン語を話す「おしん」!?
ラ・クリニカは開院19周年を迎えました。これも、何度もご来院頂いてる多くの患者様のおかげと、スタッフ一同、心から感謝をしております。
ラ・クリニカは開院19周年を迎えました。これも、何度もご来院頂いてる多くの患者様のおかげと、スタッフ一同、心から感謝をしております。
昨年の大晦日、仕事が終わって途中からでしたが紅白歌合戦を見ていて、南米の日系人の方達のことを思い出しました。僕が南米のチリに住んでいたことは以前書きましたが、チリに行く前は、紅白なんてどうせ歌謡番組なんだからなんて思って見ませんでした(救急当直で越年ということが多かったせいもありますが^_^;)。
南米に移住した人達は言葉では想像出来ないぐらいの苦労をされてきました(数年前、日本の総理大臣がブラジル日系人の前でのスピーチで嗚咽(おえつ)を漏らしたことがありましたが、それぐらい過酷だったのです)。そんな日系人の方達が楽しみにしていたものの一つが紅白歌合戦でした。最初は、「そんなものなのかなぁ」と思っていましたが日本を離れて時間が経つにつれて自分でも気がつかないうちに日本語が恋しくなり、日本の歌などが恋しくなっていました。そんな時日系人の方から借りた紅白歌合戦のビデオ(DVDなんてありませんでしたからテープはもうボロボロでした)を見て、自分の中にある日本がこんなに大きかったんだと驚いたのを覚えています。
日系の方達がもう一つ楽しみにしていたのがNHKドラマの「おしん」でした。日系といってももう日本語を忘れてしまった方や二世、三世で日本語を話したこともない方も少なくありません。ですから現地で放送されていたおしんは吹き替えられてスペイン語を話していました!(^^)!
何でこんな話をするかというと、日系人の方達は古き良き日本を持ち続けているからです。今では「おしん」なんて知らない方も多いでしょうが、日系人の多くはおしんのような、まだ日本が貧しかった時代に渡航された方がほとんどです。言いかえれば今の日本が無くしてしまったものがまだあった時代に渡航されたのです。そして現地の日系人社会でその頃の日本を持ち続けているのです。ですから日系人にとっておしんは昔話ではなく現実の話だったのです。紅白やおしんを見て日系の方は自分の中の、遠い日本を確かめていたのかもしれません。日系人社会は想像を絶するような苦労の中でも、老人を敬い、自分も人も、そしてモノも大切にし、困った時は助け合ってきました。
日本にいて、毎日のニュース見ていると、もぅ「節操(せっそう)」という言葉が日本からなくなってしまったのかと思うほどにあきれかえることが少なくありません。
日本に生まれ、そして育ち、僕はとても幸せだと思います。でもだからこそ思います、日本がホントに危ないと。景気がいいとか悪いとかではなく、置いてきてしまったものを取り戻さないとこれこそ本当に危ないと思います。
「おらぁ(私は)コモエスタです」と言っているのではありません。スペイン語で「やぁ、こんにちは」と言っているのです(^_^;)
ちなみに、クリニカでも「おしん」を知らない世代がいるので(T.T)付け加えますが、貧しさゆえに7才で奉公に出された女性の物語です。