獣医さんと外科医ー医者は患者さんにだまされるな!?
ラ・クリニカは開院19周年を迎えました。これも、何度もご来院頂いてる多くの患者様のおかげと、スタッフ一同、心から感謝をしております。
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今回は、詐欺師の患者さんにだまされて無一文になった外科医の話・・・ではありません(^^ゞ 「患者さんにだまされるな」という医学的な格言についてです。
先日、獣医さんと話す機会がありました。獣医さんと話す機会など滅多にないので今まで疑問に思っていたことを聞いてみました。
質問1. 動物に点滴はどのようにしてするか。動物のようには毛の生えていない人間でも点滴が難しいことがあるのに、犬や猫にどうやって点滴を入れるのでしょうか?
回答1. 小さな猫でも探せばちゃんと血管が見えるそうです!(^^)!僕も今度クロちゃん(コラム第6回友情出演)で探してみます。でも駆血帯(腕をしばるゴムのバンド)はいやがるだろうなぁ(^^ゞ
質問2. アフリカゾウガメも風邪をひくってホントですか?以前、友人が飼っていたゾウガメが風邪をひいて大変だったと聞いて「本当に???」と思ったので聞いてみました。
回答2. 風邪にも肺炎にもなるそうです。亀も風邪をひくと鼻水を垂らすそうです!(^^)!しかも肺炎の疑いがあるときには胸(亀さんの胸ってどこ?)のレントゲンも撮るそうです!(^^)!
ここまでは動物に興味がある子供と同じレベルの質問でしたが(^_^;)ここからは少し医者っぽくなりました・・・人間の場合、診断は必ず問診から始まります。いつから、どの部分に、どのような症状が出てきたか。その症状の状態はどうか。今までにどのような病気をしたことがあるか。家族で似たような症状になったことのある人はいないかなど色々なことを聞かなくてはなりません。この問診を丁寧にすれば多くの病気はこの段階で予想がつきます。診察や検査はその予想を確認するためのものであると言っても過言ではありません。逆に言えば、この問診をおろそかにする医者は???です。診断において問診はそれほどまでに重要なのですが・・・動物に問診は出来ないですよね~(ドリトル先生以外は)。では獣医さんはどうするのでしょうか?
質問3. 病気はどのように診断するのですか?
回答3. 家族、いえ飼い主への問診だそうです。今回のタイトルの「騙されるな」というのはこの問診です。人間の患者さんの場合にも多いのですが、飼い主が思いこみをしていることが多いのだそうです。自分の(ペットの)病気は・・・だと思いこんで、それに合うような症状のみを話すことが多いのです。決してウソではないのですが、これを信じると誤診になってしまう可能性があります。例えばこんな患者さんがいました。「重いものを持ったら腰が痛くなった」と言って腰痛の治療をしていたそうなのですが、腰痛は重いものを持ったせいではなく乳癌の転移でした。重いものを持ったのは事実ですし、またその時に痛みを自覚したのも事実です。でもそのせいで痛みが生じたと医者が信じ切ってはいけなかったのです。
その獣医さんも問診(飼い主への)には気を遣うそうです。問診に気をつかうその獣医さんは絶対にいい獣医さんだと思います\(^O^)/でも・・・「医者の目」(コラム第19回)にはなってしまうかも(^_^;)問診も出来ないし一人一人(一匹一匹)異なるカラダを診る獣医さんはやっぱりすごいと思います<m(__)m>