バストは命・・・よりも・・・?
ラ・クリニカは開院18周年を迎えました。これも、何度もご来院頂いてる多くの患者様のおかげと、スタッフ一同、心から感謝をしております。
ラ・クリニカは開院18周年を迎えました。これも、何度もご来院頂いてる多くの患者様のおかげと、スタッフ一同、心から感謝をしております。
今回は南米の女性のバストに関するエピソードを書きます。私がチリに癌のプロジェクトで行っていたときにこんなことがありました。患者さんは40代の女性でかなり進行した乳癌でした。当然僕は手術をしてから放射線や抗癌剤を考えたのですがその患者さんは、手術は絶対にしないと言い張るのです。バストを失うぐらいなら死んだ方がまだましだと言い張るのです。乳癌手術の縮小化が進んだ現在の基準を以てしてもある程度大きな手術は避けられないほどの乳癌でした。そして、これも驚いたのですが、チリにはそのような患者さん専門に放射線治療をする放射線科の開業医があったのです。そしてその患者さんは日本では考えられないような強さと量の放射線治療を受け、しばらくして私の病院に戻ってきました。その胸も肺もヤケドなどで目も覆いたくなるような状態で、手術も不可能な状態になっていました。しかしそれでもその患者さんはバストを失う辛さに比べたらまだましだと言っていました。
当時は日本でも乳癌手術の縮小化が進んでいましたが、癌から助かるためにはある程度の犠牲はやむを得ないという考え方がまだまだ主流でした。ましてその患者さんのような進行癌の方が乳房の切除を拒否することなどあり得ませんでした。ですからチリに行ったばかりの僕にはある意味ショックでした。また、胸がひどい状態になってからでさえもこれで良かったと言う患者さんにはさらにショックを受けました。日本と南米では外面的な美しさに対する考え方に違いがあるのは当然ですが、まだまだ患者さん、そして女性のことを理解出来ていないと痛感したのを覚えています。
と同時に日本で手術した患者さんのことを思い出しました。この日本の患者さんは僕に初めてバストの再建というものを考えさせてくれた患者さんなのですがいずれ改めて書きます。
その後も患者さんの心理を出来るだけ理解できるように、患者さんの話には可能な限り耳を傾けていますがまだまだ修行が足りないようで・・・クリニカのスタッフには毎日のように「女性心理がわかっていない」などと言われ続けています(>_<)ゞ(少しは逆セクハラかとも思うのですが・・・多勢に無勢です^_^;) 心の聴診器があるといいなぁ・・・(^^ゞ