地震と癌と美容外科と
ラ・クリニカは開院19周年を迎えました。これも、何度もご来院頂いてる多くの患者様のおかげと、スタッフ一同、心から感謝をしております。
ラ・クリニカは開院19周年を迎えました。これも、何度もご来院頂いてる多くの患者様のおかげと、スタッフ一同、心から感謝をしております。
未曾有の大震災から昨日で1ヶ月が経ちました。「もう1ヶ月」と思う方もいるかもしれませんが僕は「まだ1ヶ月」だと思います。被害がどれだけのものなのかもまだ把握されていませんし、復興にはまだまだ長い時間が必要だからです。被害自体は皆さんもご存じのように甚大なものですが、本当に大変なのはこれからです。復興にはまだまだ無い道のりが必要だと思うからです。
同じことが癌の治療にも言えます。たまにテレビドラマなどで癌の手術などを放送しています。でもそのほとんどは手術が無事に終わってめでたしめでたしで終わりです。でも実際は全く違うのです。多くの場合、癌の手術は治療のスタートにすぎません。手術の直後はもちろん痛みなどで辛いのですが、その後も転移を押さえるために放射線や抗癌剤などの辛い治療を5年や10年続けることも少なくありません。癌の治療にも長い道のりがあるのです。
地震も癌も来てはほしくないのは誰でも同じですが、ある日突然来てしまうものです。そして来てしまったときが長い戦いの始まりなのです。
癌になった患者さんの治療をしていると、その患者さんが見えてきます。偉そうにしていた方が癌になったとたんに、まるで甘やかされた子供のようにワガママになってしまったり、また逆に、頼りなさそうで、「この患者さんは治療に耐えられるのだろうか」と思っていた患者さんがどんな場面でも毅然としていたりもします。つまり回復のための辛い長い道のりに於いてその人の真価が問われるのです。さらにはその患者さんを応援する周りの人達の真価も問われます。
クリニカにシミやシワなどの治療などで通っている患者さんにもそのような長い戦いをしている方が何人もいらっしゃいます。癌の治療中だからといってやつれた顔はしたくない。こんな時だからこそキレイに毅然としていたいと言う患者さんが何人もいらっしゃいます。全く頭が下がる思いで、そのような患者さんには逆に僕が元気をもらってしまいます。
以前のコラムで、「色んな意味で日本が危ない」と書きましたが、今こそ、いえこれからの数年は日本が試されるときだと思います。静岡は被災していないのですからもっともっと元気になって静岡の元気を送れればと思います。
昨年チリでも大地震が起きて大津波に襲われました。三陸の大津波と同じような悲惨な写真がたくさん配信されました。しかしそのニュースで一番悲しいというか情けなかったのが左下の写真です。僕がいた頃よりもチリはずっと裕福になりましたが、まだまだ発展途上国なんだなぁと思いました。
東北ではこんなことにはならなかったのですが、色んな意味で日本全体の実力、元気が問われるときが来ていると思います。
毎朝クリニカに来る通勤路の街角に咲く桜です。桜はたいてい並木のようにまとまって植えられていますが、この桜の木は1本だけぽつんと植えられてています。少し寂しそうですが、でもどんな時でも毎年頑張って満開の花びらを見せてくれて元気をくれます。